広島高等裁判所松江支部 昭和25年(う)198号 判決
原審第二回公判において検察官は旧航空隊は建物の正当払下価格についての鑑定を請求しこれに対し弁護人は異議はないと述べ原審は右鑑定をする旨決定したのに拘らず右証拠決定の取消をなさず不施行のまま結審し判決の宣告をしたことは本件訴訟記録に照し明かである。而して右は原審の訴訟手続が法令に違反するものであること弁護人所論の通りであるけれどもそもそも右は弁護人の申請した証拠ではなく検察官の申請した証拠であり(弁護人は単に異議がないと述べたにとどまる)右不施行のまゝ結審し判決したからと言つて被告人の本件犯行(原判決摘示の第四(一)、従て第二(一)(二)、刑法第百九十七条第一項後段の犯罪)に対する判決にさしたる影響を及ぼさないことは本件犯行の罪質並に本件訴訟記録に照し明かである。